2015年4月20日月曜日

「世の中バランスなんだよ。」

こんにちは、池鯉鮒です。

しばらく空いてしまいましたが、
今回は「世の中バランスなんだよ。」です。


3月は卒業式、4月は入学式のシーズンですが、
私も22歳のときに大学の卒業式を体験しました。

卒業式の内容はほとんど覚えていませんが、
その祝賀会で主任教授の小林先生のおっしゃったことが
今でも心に焼きついています。

(当時、熊本大学の建築系学科の主任教授は
小林朝人先生でした。)

祝賀会でお酒も入っていろいろと歓談しているときに、
小林先生がおもむろに

 「池鯉鮒君ね、世の中バランスなんだよ。」

とおっしゃいました。

そしてその後、その説明をされました。


22歳の当時はよく理解できていませんでしたが、
今なら非常によくわかります。


「バランスなんだよ。」とは、もちろん陰と陽、
プラスとマイナス、N極とS極、男と女といったような
側面もありますし、

世の中のパワーバランス、マネーバランス
といった側面についての話もありました。



その中で先生は、

 「バランス感覚を持ちなさい。」

ということをおっしゃっていました。


”バランス感覚”とは、漠然とは理解されますが、
どういったことなのでしょうか。


例えば、次のような状況を想定してみてください。

あなたとAさんとBさんがいるとします。
あなたとAさんは割とお互いを知っている友達です。
でもBさんのことは、あなたはあまり知りません。

このような状況下で、あなたはAさんから
次のような話を聞かされます。

「Bさんはどうしようもないダメなやつだ」。

そして数日後あなたはBさんと出会いましたが、
あなたはBさんを「どうしようもないダメなやつ」
という目で見ていました。


どうでしょう。
こんな状況って、結構実際にありませんか?


そして、Bさんを「ダメなやつ」として見るようになった
あなたの判断は正しい判断と言えるでしょうか。


これこそがバランス感覚なのです。

この例のあなたの判断はバランス感覚を欠いている
というわけです。


ではあなたはどうすれば、バランスの取れた
正しい判断ができるのでしょうか?

この例で考えてみるとよくわかりますが、

 1)周囲に確かめる。
 2)Bさんに直接会って確かめる。

の2点を確認すれば、状況がつかめますね。

1)は周りの人(第三者)に聞いてみればよい
ということですね。

周りの人に「Bさんはダメなやつって聞いたけど、本当なの?」
と聞いてみればよいのです。

数人に聞いてみれば、おおよその答えが得られるでしょう。

「そうそう、Bさんは本当にダメなやつなんだ。」と
いう返事が多数返ってくれば、Bさんはダメなやつだという
あなたの判断は補強されて、正しさが増してきます。

でも「そんなことはないよ。Bさんは仕事もちゃんとできるし、
いいやつだよ。」という返答が多かった場合、
あなたの判断は間違っている可能性大です。


さらに「Aさんのほうが問題だ。」というような返答が
あるかもしれません。

その場合は、Aさんがウソをついていたということになります。


2)次にあなたは、Bさんに直接会って話をして、
どんな人なのかを知ろうとします。

Bさんのことはあまり知りませんでしたが、
実際に会って話してみると、しっかりした良い感じの人、
という印象をあなたは持ちました。

「ダメなやつ」といったふうではありません。


このようにすると、あなたは”Bさんはしっかりしたいい人だ”
という正しい認識を持つことができます。


これは、あなたが仮にAさんの言うことだけを聞いて、
Aさんの言ったように考えた場合は、
正しい認識を持っていない状況になるということです。


これは裁判にたとえてみるとわかりやすいかもしれません。


あなたが裁判官、Aさんは証言者、Bさんは容疑者です。


Aさんが言います。「犯人はBさんです。Bさんが悪い。」
それを聞いたあなたは、「わかりました。Bさんが犯人です。」
というふうにはなりませんよね?

裁判官であるあなたはどう考えますか?


Aさんの他に証言できる人はいないか、捜しませんが?
周囲の人(関連のある人)で、何か知っている人を
捜して状況を聞くはずです。

それからBさんにも、アリバイがあるかどうか聞きますよね。



この裁判官の感覚が、バランス感覚と言ってよいでしょう。

このようにあるひとつのことを信じてしまうというパターンは
以外とあるのです。


私たちの周囲の人間関係でもよく見られます。

この例ではAさんという普通の人ですが、
これが一個人ではない場合も、
世の中には結構あります。


Aさんという普通の個人ではなく、
権威ある人や団体、企業などの場合です。


わかりやすいのは、メディアですね。

メディアで言われていることは、かなり多くの人は
「ああ、そうなんだ。」というふうに理解します。

メディアで言われていることは事実なんだと。


よい例が、朝日新聞による従軍慰安婦や福島第二原発の
吉田調書のねつ造報道事件です。


「朝日新聞がいうのだから間違いない。」というふうに、
大多数の人は考えていたのです。


メディアによる報道は、事実として受け取るのではなく、
”そのメディアの見解”として見るのが正しいわけです。


本来メディアは事実を公平に伝えるべきなのでしょうが、
メディアも一民間企業ですから、存続していくためには
100%事実を伝えるということだけではやっていけません。


特に日本人は、メディアの言うことを
鵜呑みにする傾向があるそうです。


東京都市大学名誉教授の青山貞一先生のデータによれば、
マスコミの信頼度(別な言い方をすればマスコミ鵜呑み度)は
次のようになっています。


イギリス14%、アメリカ26%、ロシア29%、イタリア34%、
フランス35%、ドイツ36%、インド60%、ナイジェリア63%、
中国64%、韓国65%、フィリピン69.5%、日本70.2%


これを見ると、確かに日本はマスコミを鵜呑みにする国と
いえそうです。


コントロールする側から見れば、操作しやすいとも
言うことができるでしょう。


本来の人間社会のあるべき姿は、
「正しいことを言って、人の言うことは信用する。」
といった信用社会なのでしょうが、

人間はまだそこまで進化できていないのだと思います。

でもマスコミ鵜呑み度から見ると、
日本人はその本来あるべき姿の70%程度は、
普段の状態で実現できているという考え方もできますよね。


どうでしょうか。


それではまた。


久留米工業大学
建築・設備工学科
池鯉鮒


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