2015年1月13日火曜日
神様ネット
久留米工業大学
建築・設備工学科の
池鯉鮒です。
ちょっと遅いですが、
明けましておめでとうございます。
今年も本ブログをよろしくお願い致します。
さて多くの方が初詣に行かれたと思いますが
今回は神社に関連した話です。
今ではあまり使われませんが、
昔から言われてきている表現で、
「お天道様が見ていなさる」
という表現があります。
”お天道様”は太陽のことでもありますが、
天照皇大神(あまてらすおおみかみ)、
ないし”神様”のことを意味します。
この「お天道様が見ていなさる」という表現には、
こっそりと何か悪いことをやろうと思っても、
”神様はすべてお見通し”だから、
”悪事はできないよ”と
戒める意味があります。
さてその神様ですが、
日本では神社に祭られていますね。
日本の神社は小さいものも含めると
約30万社あるそうです。
コンビニの店舗数約4万店舗に比べると、
かなり多いですね。
コンビニはいたるところにある印象ですが、
それよりさらに”いたるところ”にあるわけです。
神社は神様の社(やしろ)、
神様がいらっしゃるところです。
ところで神様がいらっしゃるところは、
家の中にもあります。
わかりやすいのは”神棚”ですね。
神棚には神様が祭ってあり、
人の背の高さより高い位置にあったほうがよいとか、
方位は南または東向きがよい
などといった決まり事があるようです。
家に関連した神様がいらっしゃるのは
”神棚”だけではありません。
まず土地を守っている屋敷神様、
炊事場には台所の神様、
門には門の神様、
居間の大黒柱で家を支えている大黒様、
トイレにはトイレの神様
(↑ 一時期歌が流行しました)など
そこかしこに神様です。
しかも、家の中だけではありません。
というよりはこちらが大本なのですが・・・。
山には山の神様
海には海の神様
森には森の神様
川には川の神様
・
・
・
その他諸々といった具合です。
いわゆる”自然神”ですね。
どうでしょうか?
”いたるところに神様”ですね。
”どこでも神様”と言ってもいいくらいです。
”八百万(やおよろず)の神”というのは
まさにぴったりの表現です。
少しイメージしてみましょう。
そこかしこの神様を線で結んでみます。
あなたの住んでいるところを基準に考えて、
海や山、森、川、それぞれの神社、
家の門や家の中の神棚、炊事場、トイレなどを
基点にして線で結んでみます。
どうでしょう。
地図上に表してみればわかりやすいですが、
複雑な網目(ネット)になっていませんか?
これこそ ”神様ネット”と
呼べるものです。
日本人は古来より、この”神様ネット”を
意識して生活してきています。
(現代はあまり意識していないかもしれませんが。)
ちょっとわき道にそれます。
「神社」は神様の社(やしろ)と書きますが、
「社会」とはなぜこの字を書くのでしょうか?
「社会」とは、「神の社で会い集う」ことを意味しています。
実際に戦前には、地域の人々が集まって
話し合う場所は神社だったのです。
しかし戦後、GHQによってそのやり方は否定され、
地域には”公民館”が作られるようになりました。
公民館の始まりはここにあります。
もともと昔から公民館があったわけではありません。
公民館は”神様の社”ではなく、
単なる”建物”ですから、
精神的なバックボーンにはなり得ません。
そこがGHQのねらいだったわけですね。
さて話を戻して、
日本ではいたるところに神様がいらっしゃるため、
当然のことながら
どこにいても何をするにも、
”すぐ近くに神様”という状況です。
すぐ近くに神様がいらっしゃるのに、
さすがに”悪事”はできないでしょう。
これが精神的な規律として、
生活に浸透してきたのだと思います。
これを物理的なシステムにしたものが、
日本の”交番システム”と言えます。
お巡りさんがいる警察署や交番の近くでは、
さすがに”犯罪”は無理でしょう。
日本では、警察署・交番・駐在所の数は
2012年現在で14,160所あるそうです。
そして日本の治安の良さに注目した
ブラジルのサンパウロ州軍警察が、
2000年から日本の交番システムを導入しました。
当時サンパウロ郊外のハニエリ地区では、
1ヶ月の殺人事件件数が40件を超えていました。
それが交番システムの導入によって、
2013年の殺人事件件数は、
なんと年間でわずか”3件”に激減しています。
かなりの成果ですね。
それを知ったホンジュラス政府は、そのブラジルの取り組みを
2013年からホンジュラスに導入しました。
ホンジュラスの殺人発生率は世界最悪で、
1日あたり19人以上の人が殺人によって亡くなっています。
この状況にホンジュラス政府は危機感を
抱いていたそうです。
そして国内に交番システムが導入されてから、
交番に気軽に立ち寄る市民が目に見えて増え、
コミュニティーでの出来事を相談するように
なったそうです。
警官と住民の間には”信頼関係”が築かれて、
治安の改善に結びついているそうです。
交番システムがさらに浸透してほしいものですね。
さて、日本には
精神的な”神様ネット”と
物理的な”交番システム”があります。
日頃から交番は意識していませんが、
日頃から神様を意識して生活することが
さらなる治安の良さに結びついて
いるのではないかと思います。
「日本には八百万の神様がいらっしゃって、
その”神様ネット”の中で
日頃から神様を意識して生活する。」
別な言い方をすれば、
「神様に沿った生き方をする。」 でしょうね。
これが実現できれば、
かなり ”神近き社会” を形成することが
できるのではないかと思います。
というより実は昔の日本では、
その”神近き社会”がかなり実現できて
いたのではないでしょうか。
しかしです。
今の日本であってもその精神的な側面は
まだまだ残っていて、
捨てたもんじゃないなと考えています。
例えば小さな”鳥居”を設置するだけで、
そこに立ち小便をする人はいなくなりますしね。
そう考えると”神近き社会”は、
日本ではそれほど難しくはないような気もしますが、
どう思いますか?
ちょっと長くなってしまいました。
それではまた。
久留米工業大学
建築・設備工学科
池鯉鮒
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