2014年8月1日金曜日

給食のトラウマ


こんにちは、池鯉鮒です。


今回は「給食のトラウマ」です。

これは私自身の経験談ですが、

私は昭和40年に小学校に入学してから6年間、

給食のお世話になりました。



ある程度の年輩の方なら”給食”という言葉から

いろいろと連想されるでしょうが、

どのようなイメージを持たれますでしょうか。



私が連想するものはいくつかありますが、

良いイメージはあまりなく、

良くない強烈なイメージが2つあります。



それは、”ミルク”と”豚肉”です。



今は給食というと結構おいしいですが、

当時(昭和40年代前半です)の給食はかなり悲惨な状況でした。




まずはミルクです。

給食は、コッペパンとミルク、おかず、という構成で、

アルマイトの容器やアルマイトの皿に盛りつけてありました。



それらがアルマイトのお盆に載せられて配られていました。

(アルマイトというのはアルミニウムの表面を酸化処理して

耐食性や耐磨耗性を高めたものです。)



その給食のミルクには2種類ありました。

ひとつは”白いミルク”で、もう一つは”うす茶色のミルク”でした。



白いミルクのほうは、独特なにおいがして、

相当砂糖を入れてあるらしく、とても甘くてベトベトした感じでした。



こぼしてノートなどに染み込むと、表紙やページがくっついてしまい、

はがそうとすると破れてしまったこともしばしばでした。



その独特なにおいのせいで”おいしくない”というよりは

”まずい”ため、当時は「人参が入っているに違いない。」という

噂が立っていました。




”まずい=人参”という、シンプルで子供らしい発想ですが、

きらいな人参を連想させるに十分な、まずいミルクだったのです。



鼻をつまんでにおわないようにして飲んでいる友達もいました。



もうひとつの”うす茶色のミルク”は、”白いミルク”に

ココア味だかコーヒー味のような味を付けてあるミルクで、


白いミルクに比べたらまだましでしたが、

ココア味かコーヒー味かも定かではない、何とも言えない味でした。



白いミルクが大半で、たまにうす茶色のミルクが出る

といったパターンだったと思います。



白いミルクの際には、ごくまれに”ミルメーク”という、

粉末ココアのような粉が付いて来ることがありました。



このミルメークは大人気でした。


白ミルクの”超まずさ”をかなりカバーできていましたから。




このミルクも私が小学校4年生の頃でなくなり、

牛乳に変わっていきました。



もちろん牛乳は生徒みんなに大人気でした。

私もあの”超まずい”ミルクから解放されたとわかったときは、

ほっとしたものです。



後になって知ったことですが、その給食用のミルクは、

米軍が家畜用に用いていた脱脂粉乳を使用していたということでした。




それから、次に豚肉です。

こっちのほうが、ミルクよりさらに強烈でした。



今では豚肉といっても、豚肉のしょうが焼き、豚の角煮、

焼き豚、酢豚きなど、いろいろおいしい料理が思い浮かびます。



しかし当時の豚肉は違っていました。



まず、豚肉といってもその大部分が脂身でした。

肉の部分はほとんど1~2割くらいで、残りの8~9割が脂身でした。



しかも臭いんです。



豚臭いというか何というか、豚肉のにおいがさらに強烈になった状態です。


それにたまにですが、豚肉の脂身の表面に黒っぽい皮が付いており、

毛が生えているものがありました。



豚肉の入ったおかずはいろいろありました。

カレーシチューなどスパイスの効いているものは、

そのスパイスでにおいがカバーできていましたので、割と人気がありました。



強烈だったのは「チャンポン」と「ビーフン」です。

塩とコショウの味付けで、素材の味や香りがそのまま出ている状態です。



今時のグルメのようなおいしい味付けがされているものではありません。

”素材の味や香りを生かした”と言うとよいイメージですが、



その”臭さ”が前面に出ているため、より強烈なのです。



クラスの中で5~6人ぐらい、これが食べられない生徒がいました。

食べられないので、給食の時間が終わって昼休みになっても

食べてしまうまで教室に残されました。



私もその中の一人で、先生から”横綱”と言われていました。

いつも最後まで残っているという意味でです。



みんな、臭いがいやなので鼻をつまんで食べたり、

水で流しこもうとしたりいろいろやっても、


吐きそうになって涙目になりながらも、

しかし飲み込むことができません。



そういったおかずの場合は、昼休みがなくなってしまいます。

豚肉が含まれていないおかずの日はほっと一安心で、



ミルクは何とか飲めましたので、楽しい給食タイムが過ごせました。



そういった小学校給食時代を過ごしてきましたが、

それがトラウマになって残っていました。



中学校、高校の頃までは、食事を出されると

(例えばレストランなどで一人前として食事を出された場合です)、



”食べてしまわないといけない”という脅迫観念に襲われて、



急に「食べてしまえるのだろうか」という不安な気持ちが起こってきて、

食べ残してしまうということがしばしばありました。



これは時間が解決してくれて、今ではほとんど問題ありません。



今回は50年近く前の昔話でした。



給食もおいしかったメニューもありますが、

それはまた今度紹介したいと思います。



しかしあのミルクの味とあの豚肉は、

再現できないものでしょうかね。



今の人たちに食べてもらって、昔はこんなだったんだと

説明したいところです。



それではまた。

久留米工業大学
建築・設備工学科
池鯉鮒


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