2013年7月30日火曜日

教育に足りないもの

 こんにちは、池鯉鮒です。

 今回は「教育に足りないもの」です。

 今現在、平成25年(2013年)の7月末です。
今月の参院選では原発か反原発かが争点となっていました。
選挙で自民党が圧勝しましたから、原子力発電が推進されることになるのでしょう。

 エネルギー問題はずっと継続的に議論されてきています。
自然エネルギーか燃焼系の化石燃料か原子力か、ということです。
自然エネルギーは現状ではエネルギー全体の数%しか賄えません。

 エネルギー源としては、これらの選択枝しかないということなのでしょうが、
やはり圧倒的アイデア不足、発想力の不足という感じがしています。
アイデア力、発想力、創造力、考案や工夫する力といってもよいでしょう。
以降はまとめてアイデア力や発想力と表現します。

 アイデア力・発想力は重要だと思いますか?
それとも、「アイデア力などは必要ない。言われたことをやってればいい。」と思いますか?

 質問をすると、100%の人が「アイデア力・発想力は重要だ。」という答えを返してくれるでしょう。後者の「アイデア力などは必要ない。言われたことをやってればいい。」という表現は、言い方を変えると単に“コキ使われる人”ですよね。

 ところで企業はどのような人材を求めているのでしょうか。
企業が求めるのも「創造性豊かな人」です。
そうしないと、企業は伸びないからです。

「新しい商品や技術を生み出し、それを販売してお金を稼ぐ」のが企業です。
他社と同じようなことをやっていては、その企業の売り上げは伸びません。

 このように企業も求め、また一般的にも万人が重要だと認める「アイデア力・発想力」ですが、例えば「アイデアの出し方」など学校の授業で習ったことがありますか?
例えば大学で「発想力演習」などのような科目はありましたか?


 ありません。


“ほとんど習っていない”ではななく、“まったく習っていない” というのが実情です。
私もまったく習ったことがありません。

しかも習っていないのに、それが求められるのです。
困ってしまいませんか?

例えば、ピアノを習っていないのに、ピアノを弾くことが求められているようなものですね。結構難しいというより、ほとんど無理という感じです。

 このアイデア力・発想力は、問題解決力に直にリンクしています。
また、新しい価値を生み出す力にも直にリンクしています。
ですから、企業が求めるのです。

 あなたのまわりにも、友達や同僚等でアイデア力・発想力のある人が1人くらいはいませんか?いわゆる“アイデアマン”と呼ばれる人です。
 そういう人は(いつもとは限りませんが)いろいろな物事を良い方向へ持っていくためのアイデアを、出したりしますよね?

 このアイデア力の育成ですが、小学校や中学校のカリキュラムに取り入れたと仮定してみましょう。例えば“アイデアの出し方”というような週1コマの授業です。
もちろん高校や大学でやっていいのですが、やはり小さい頃が肝心です。

 最初の頃の私のブログ「理系待望論」で多くの技術者が必要だと書きました。
母数を増やさないと、すぐれた技術は出てこないという意味なのですが、
すぐれた技術を出すにはもう一つ、技術者の質を上げるという方法もあります。

 その場合に非常に重要なのが“アイデア力・発想力”です。
小学生のころから授業で習ってこの“アイデア力・発想力”を身につけた世代の人々が、
一挙に、そしてその後継続的に社会に出てきた場合を考えてみましょう。


 どうなると思います?


 先ほどの“アイデアマン”が、あなたのまわりに1人ではなく、9人も10人もいるような状態です。大きな組織では数十人、数百人になったりするかもしれません。

 社会が“がらっと”変わりますね。
コペルニクス的転回がいくつも起こります。
まさに(古い言い方かもしれませんが)「新人類社会」といった社会ができると思います。

 技術面のみならず、政治経済、教育、その他のさまざまな分野の仕組みが変わるでしょう。今は思いもよらないような発想が数多く出てきて、いろいろな物事が解決できるようになるでしょう。

 エネルギー問題もしかりです。
今なら、原発か反原発かといったような選択枝しかありませんが、アイデア力を身につけた新人類社会ではこれ以外にもいくつも選択枝が出てきて、最適な選択肢が選ばれて実行されると思います。

 今後の教育、それも特に義務教育段階で必要なことは、「アイデア力・発想力」を養うためのカリキュラムだと思います。

 資源のない日本では人が資源ですから、その人が何も生み出さない「ただのコキ使われる人」であっては非常にもったいないのです。何らかの価値を生み出す創造的な人材として活用されるべきだと思います。

 そうすれば、技術立国という面だけでなく、政治経済や教育、福祉その他いろいろな分野での、“総合立国”が可能になるのではないでしょうか。
 つまり、“日本が世界のお手本となる”状況が実現できるのだと思います。

 願わくは、文部科学省の義務教育に関する検討で(どのような場面で検討されるのかはわかりませんが)、このような意見を取り入れてもらえれば、と思っています。


それではまた。


久留米工業大学
建築・設備工学科
池鯉鮒


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2013年7月16日火曜日

アースランド

こんにちは、池鯉鮒です。

今回は”アースランド”のお話です。

”アースランド”は遊園地です。

 有名な遊園地で”ディズニーランド”がありますが、ディズニーランドにはウェスタンランドやアドベンチャーランド、トゥーンタウンようにいろいろなエリアや街があります。そしてそこには多くの”キャスト”が働いています。訪れる観光客もたくさんいます。

 ”アースランド”の場合は、エリアや街の呼び名はディズニーランドとは違っています。
アメリカやヨーロッパ、アジア、オーストラリア、アフリカなどのエリアがあります。それぞれのエリアはまた細かく分かれていて、カントリーと呼ばれています。ロシアやアメリカ、中国という超巨大カントリーもあれば、日本という小さな島カントリーもあります。

 カントリー同士で仲のよいところもあれば、仲の悪いところもあります。
それぞれのカントリーは、そこで働いているキャストによって運営されています。
そしてそれぞれのカントリーは、そこにいるキャストによって独特なカラーを出しています・・・・。

 とっくにバレバレですが、この”アースランド”は世界のこと(地球のこと)を表しています。
そこにいる70億の人々はそれぞれのカントリーで、いろいろなキャストとして働き、
日々を過ごしています。

 昔は”人生劇場”や”人生航路”という言い方をしていました。
人によっていろいろな役割を演じていますから、人生劇におけるキャスト(配役)というわけです。そしていろいろな状況が展開していきます。

 この状況は航路にもたとえられます。
順風満帆で船出したものの、途中で羅針盤が壊れて航路を見失ったり、嵐に遭遇して沈没しかかったり、その後天気が回復して羅針盤も修理して、なんとか予定航路に戻ったり、という具合です。

 苦あれば楽あり、七転び八起き、情けは人のためならず、袖振りあうも他生の縁、バランスの法則、等々いろいろ言われています。

 各”キャスト”ごとに、その時期においてそれぞれ期待される役割や、その存在意義があります。
自分の存在意義や今何をやるべきか、といったことを考える上で、日常に埋没しいていると、なかなか全体を見渡せないという状況に陥ってしまいます。

 それを俯瞰する方法のひとつが、”アースランド”という考え方です。
宇宙から地球を眺めている感じでしょうか。

 あなたも何かのキャストを演じているわけですね。

 何年か前に”ゆでガエル現象”が話題になりました。
熱いお湯にカエルを放り込むと、熱いので飛び出して逃げてしまって無事ですが、鍋に水を張ってカエルを入れ、じわじわと加熱していくと、カエルが気が付かないうちに、徐々に温度が上がっていって、熱いと気がつくころには”すでに遅し”で、ゆで上がってしまっているというお話です。

 つまりじわじわと周りが変化しているのに気が付かず、変化に乗り遅れてしまっていることを指します。周囲が変化してきているのに、変化に対応せずに(または対応できずに)相変わらず同じ事を繰り返している状況のことです。

 今は(特別に今に限ったことではありませんが)、世界と日本の情勢やその変化を見ておく必要がありますので、”アースランド”という見方で、空間的にも時間的にも、全体とあなた自身(マクロからミクロ)を俯瞰してみてはいかがでしょうか。

それではまた。

久留米工業大学
建築・設備工学科
池鯉鮒


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2013年7月9日火曜日

ふしぎな牛肉

こんにちは。
池鯉鮒です。

 さてずっと以前から不思議に思っていたことがありました。
その疑問が数年前にやっと解決したのですが、それは牛肉についての話です。


 牛は草食動物です。肉や魚などの動物系タンパク質は食べません。
一時期BSEが流行ったときに、牛に”肉骨粉”を食べさせて飼育していたことが話題になりました。牛の共食いをさせていたわけです。元々草しか食べない牛にです。

 人間で言えば「食人」でしょう。
利益追求のなせる技なのでしょうが、自然界のシステムをねじ曲げているようで、いただけませんね。

 さて話を戻します。
 牛は草しか食べないのに、牛肉はなぜタンパク質豊富なのでしょうか?
いつも大豆などの豆類を大量に食べているなら、植物性タンパク質を摂っていることになりますから、”タンパク質豊富”もうなずけます。

 でも牛が食べているのは牧場に生えている牧草です。イネ科を中心とした植物です。マメ科の植物も含まれますが、豆をたくさん食べているのならもいっしょ食べて植物性タンパク質を補給していることもあり得ます。ただ牛が豆ばかり食べているという話も聞きません。

 実際のところ、草食の動物は牛だけではありません。
ゾウやサイ、カバ、ゴリラなど、他にもありますが、筋肉の固まりのような動物がたくさんいますよね。

 これらの動物が草だけで、なぜタンパク質の肉体を維持できているのかが不思議でした。

 何年か前に見ていたTV番組で(何のTV番組だったか忘れてしまいましたが)その話題が取り上げられていて、その番組を見てやっと疑問が解消しました。

 その番組では、パプアニューギニアの人たちが取り上げられていました。
その人たちは、いつもイモばかり食べているということでした。
 ここで話題にしている肉や魚などの動物系タンパク質はほとんど食べていません。
また豆類などの植物系タンパク質をたくさん摂っているということでもありませんでした。

 文字通りイモばっかり食べているのに、みんな筋骨隆々としているのです。
番組ではお医者さんの協力のもとで調査したところ、原因が明らかとなりました。

 原因は腸内の細菌でした。

 腸内の細菌のバランスが、普通の人と異なっていたのです。
タンパク質合成菌が主になっていて、そのタンパク質合成菌が腸内でタンパク質を合成し、そのタンパク質を腸から吸収することで、筋骨隆々の体を作っていたのです。
 牛などの草食動物も同じことが起きているという話だったと思います。

 そして驚くことに、腸内の細菌のバランスをタンパク質合成菌サイドにもっていくのは、日本人でも可能ということでした。タンパク質を摂らない生活をしていると、3~4ヶ月程度でパプアニューギニアの人たちと同じ腸内細菌のバランスになるそうです。
タンパク質を合成できるようになるということでした。

 たった3~4ヶ月でです。
 いわゆるベジタリアンという人たちも、このような腸内細菌のバランスになっているのかもしれません。

 ということは、私たちは牛や豚などの動物を、飼育した上で殺して食べなくても、問題なく生きていける能力を持っているということになりますね。
 そういう能力を持っているのに使わないのは宝の持ち腐れ状態とも言えます。

 ”グルメ”といった観点からは、肉を食べない生活はつまらないかもしれません。肉を食べるのなら、同類であるほ乳類を食べなくても、遠い系統の鳥類やは虫類の肉にするとか、魚介類を食べるとか、にすればよいのではないかという気がします。

 日本の古い時代の遺跡には”貝塚”というものが残っていて、魚介類をよく食べていたことがわかっています。やはり日本人はこのパターンではないでしょうかね。西欧から肉を主食とした食文化が入ってきて、肉を食べるのは当たり前になっていますが、ちょっと違うかも・・・という気がします。

 牛や豚などを育てるには、多くの飼料と多くの水が必要です。
それを植物を育てるのに使えば、かなり大量の植物系の食料を生産できます。
食糧生産の方法としては効率的と言えます。

 すると、世界の飢餓地域を救えるかもしれません。
また、そう遠くない将来に食料難や水不足がやってくると考えられていますが、それまでに食料生産のシステムを検討しておく必要がありそうです。

それではまた。

久留米工業大学
建築・設備工学科
池鯉鮒


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